【会計・税務情報】貸付金の未収利息を計上し続けていませんか?
皆さまこんにちは。
大阪上本町の税理士法人ウィズアスです。
本日は貸付金の未収利息についてお話しいたします。
企業様の貸借対照表に貸付金が計上されている場合、利息を計上することは原則です。
しかしながら、未収利息を計上しなくて良い場合もあるのです。
どのような場合か
その根拠は、法人税基本通達2-1-25にあります。
(相当期間未収が継続した場合等の貸付金利子等の帰属時期の特例)
2-1-25 法人の有する貸付金又は当該貸付金に係る債務者について次のいずれかの事実が生じた場合には、当該貸付金から生ずる利子の額(実際に支払を受けた金額を除く。)のうち当該事業年度に係るものは、2-1-24にかかわらず、当該事業年度の益金の額に算入しないことができるものとする。
- 債務者が債務超過に陥っていることその他相当の理由により、その支払を督促したにもかかわらず、当該貸付金から生ずる利子の額のうち当該事業年度終了の日以前6月(当該事業年度終了の日以前6月以内に支払期日がないものは1年。以下2-1-25において「直近6月等」という。)以内にその支払期日が到来したもの(当該貸付金に係る金銭債権を売買等により取得した場合のその取得前の期間のものを含む。以下2-1-25において「最近発生利子」という。)の全額が当該事業年度終了の時において未収となっており、かつ、直近6月等以内に最近発生利子以外の利子について支払を受けた金額が全くないか又は極めて少額であること。
(2) 債務者につき更生手続が開始されたこと。
(3) 債務者につき債務超過の状態が相当期間継続し、事業好転の見通しがないこと、当該債務者が天災事故、経済事情の急変等により多大の損失を蒙ったことその他これらに類する事由が生じたため、当額貸付金の額の全部又は相当部分についてその回収が危ぶまれるに至ったこと。
(4) 更生計画認可の決定、債権者集会の協議決定等により当該貸付金の額の全部又は相当部分について相当期間(おおむね2年以上)棚上げされることとなったこと。
いかがでしょうか。
通達にある事例に合致しているのに関わらず、利息を計上し続けていませんか。
また事例に合致するということは、その債権(例:貸付金)自体も回収不能になることも多いと考えられます。
その場合貸倒れという形で費用化するのですが、税務上の貸倒損失の計上は税務調査において否認されることがございますので、注意が必要となります。
特に事実上・形式上の貸倒れの場合は、「回収しようと努力した経緯事実」が重要です。
具体的には
- 会社・代表者への電話がつながらなかった事実
- 督促状を内容証明郵便で会社・代表者宛てに送付したが、届かなかった事実
- 興信所等に依頼したが、代表者の所在が明らかにならなかった事実
などです。
税務調査官に、これだけ努力したのに回収できなかった事実をわかってもらいましょう。
債権が回収できなければ、企業様は資金面で大きな打撃を受けます。しっかりとした貸倒れ根拠を提示し、適正な納税することでその打撃を少しでも緩和することが、われわれ専門家の使命です。
疑問は、成長するための芽です。
芽をつまれる前に、われわれにお尋ねください。
では、次のコラムで皆様にまたお会いできればと思います。
当社は、大阪天王寺区で数十年お客様のコンシェルジュとして、お金にまつわる問題を解決してきた税理士事務所です!
笑顔ある経営を創造したい!を、スローガンにしている当社は皆様にしっかりと税に関する知識を知って頂きたいので、一人一人にしっかりと向き合い、納得いくまでお話をします。
昨日より今日、今日より明日をより良くできるように。
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