【会計・税務】近年の相続税申告時の手続きに関する改正について(前編)
皆さまこんにちは。
大阪上本町の税理士法人ウィズアスの的場良太です。
ここ最近は相続のご相談を受けすることが大変多くなってきています。
相続というと皆さまどのようなイメージをお持ちでしょうか。
よくお聞きするのが、資料を揃えるのが大変、遺産分割で揉める、相続税がいくらかかるか分からなくて不安といったことです。
実際に、遺品整理やその名義変更、相続税の申告等のために、証明書類を役所に取得しに行く必要があります。
その際に、法務局や区・市役所で不慣れな手続きをして、長い間待たされたあげく申請書類に不備があり書き直したり、部数が不足してしまい再度取りに行くといったような話は数え上げればきりがありません。
ただ近年は、相続税申告の手続きの利便性や行政事務の効率化の観点から少しずつ便利になってきています。
本日は近年の相続税の手続き面の改正について、2回のコラムに分けて触れていきたいと思います。
次回 ≪近年の相続税申告時の手続きに関する改正について(後編)≫
目次
相続税申告の添付書類の範囲の拡大
2018年4月1日以後に提出する相続税申告書の添付書類おいて範囲が拡大されました。
従来は法定相続人を確認するため、被相続人および相続人の全員の戸籍謄本が必要でしたが、それに代えて以下のいずれかの書類の添付でも認められるようになりました。
(A)「戸籍の謄本」で被相続人の全ての相続人を明らかにするもの
(B)図形式の「法定相続情報一覧図の写し」(子の続柄が、実子又は養子の
いずれであるか分かるように記載されたものに限る)
(C)(A)又は(B)をコピー機で複写したもの
- 法定相続情報一覧図の写しとは、相続登記の促進を目的として、平成29年5月から全国の法務局で運用を開始した「法定相続情報証明制度」を利用することで交付を受けることができる証明書のことで、戸籍に基づいて、法定相続人が誰であるかを登記官が証明したもの
- 法定相続情報一覧図の写しは、相続人等が次の①~④を管轄する法務局のいずれかで無料で交付を受けること可能
- 亡くなった方の本籍地
- 亡くなった方の最後の住所地
- 申出人(相続人等)の住所地
- 亡くなった方の名義の不動産の所在地
- 申出人は除籍謄本を用意して、法定相続情報一覧図を作成し、法務局に申出を行い、登記官による一定期間の確認後に認証文付きの「法定相続情報一覧図の写し」を交付
なお、手続きは郵送ですることも可能です。
また、提出した戸除籍謄本は登記官の確認後に返却されます。
この改正により、被相続人の戸除籍謄本があれば法定相続情報一覧図の写しを入手することができ、その他の相続人の戸籍謄本等の資料を揃えなくても相続税申告が可能となりました。
そのため、手続き面において相続人の方の負担が非常に軽減されています。
- 法定相続情報一覧図のイメージ
≪国税庁のリーフレットより≫
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/sozoku/shikata-sozoku2017/pdf/h30kaisei.pdf
≪法務局のホームページより≫
http://houmukyoku.moj.go.jp/homu/page7_000018.html
まとめ
いかがでしたでしょうか。
このように近年の相続税申告に必要な書類については、改正により相続人の負担が軽減されています。
相続が発生するということは、長年連れ添った大切なご家族を失うということ、生前からお亡くなりなった後の手続きまでご家族は常に心労が絶えません。
相続税申告・納付や各種名義変更が完了した後に張りつめていた気が抜けて、ご体調を崩される相続人の方もおられます。
そのようなことにならない様にできるだけ手続き上のご負担を減らして円滑に進めたいものですね。
それではまた次のコラムでお会いしましょう。
次回は、相続税の電子申告化についてお話したいと思います。
当社は、大阪天王寺区で数十年お客様のコンシェルジュとして、お金にまつわる問題を解決してきた税理士事務所です。
昨日より今日、今日より明日が素晴らしい日となるように。
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