【会計・税務】インボイス制度開始後の旅費精算は?
皆さまこんにちは。
大阪上本町・天王寺の税理士法人ウィズアス中野学です。
暑い日が続いていますね。
皆さま、体調をくずさないように気をつけてくださいね!
「気をつける」の「気」は、息・呼吸、意識、心の動き、精神・精神的なもの、気持ちなどの意味があります。
「つける」は、感覚を鋭くする、注意を向けるなどです。
よって、「気をつける」ことは、「意識や心の動きに感覚を鋭くして、注意を向ける」こととなります。
病は気から。
心の動きを平常にしておきたいものです!
私どもは、皆さまのお役に立てるよう、税務トレンドに気をつけていきます。
本日は、インボイス制度開始後の旅費精算についてお話しようと思います。
目次
(1)適格請求書発行(インボイス)発行の免除について
コラム(自分にもある?!インボイス制度の影響)の中でお話しいたしましたが、インボイス制度開始後、適格請求書(インボイス)の発行が免除されている取引があります。
おさらいになりますが、見ておきましょう。(国税庁ホームページより)
①公共交通機関である船舶、バスまたは鉄道による旅客の運送
(3万円未満のものに限ります。)
②出荷者等が卸売市場において行う生鮮食料品等の譲渡
(出荷者から委託を受けた受託者が卸売の業務として行うものに限ります。)
③生産者が農業協同組合、漁業協同組合または森林組合等に委託して行う農林水産物の譲渡
(無条件委託方式かつ共同計算方式により生産者を特定せずに行うものに限ります。)
④自動販売機・自動サービス機により行われる課税資産の譲渡等
(3万円未満のものに限ります。)
⑤郵便切手を対価とする郵便サービス
(郵便ポストに差し出されたものに限ります。)
①に3万円未満の公共交通機関である船舶、バスまたは鉄道による旅客の運送とありますので、旅費精算において適格請求書(インボイス)を添付できないケースも想定できます。
では、宿泊代やタクシー代はどうでしょうか?
(2)旅費精算における実務対応
インボイス制度では、適格請求書(インボイス)の保存がないと、仕入税額控除を受けることができません。
ということは、宿泊代やタクシー代も仕入税額控除を受けるためには、適格請求書(インボイス)の保存は必要と考えるのが通常です。
しかし、従業員等に支給する通常必要と認められる出張旅費等(出張旅費、宿泊費、日当及び通勤手当)であれば、適格請求書(インボイス)の保存でなく、帳簿のみの保存で仕入税額控除を受けることができます。
消費税基本通達11-2-1に
「役員又は使用人(以下「使用人等」という。)が勤務する場所を離れてその職務を遂行するため旅行をし、若しくは転任に伴う転居のための旅行をした場合又は就職若しくは退職をした者若しくは死亡による退職をした者の遺族(以下11-2-1において「退職者等」という。)がこれらに伴う転居のための旅行をした場合に、事業者がその使用人等又はその退職者等に支給する出張旅費、宿泊費、日当等のうち、その旅行について通常必要であると認められる部分の金額は、課税仕入れに係る支払対価に該当するものとして取り扱う。」
とあります。
これが特例の根拠となります!
(3)旅費精算の注意点
(2)で旅費精算は、適格請求書(インボイス)の保存でなく、帳簿のみの保存で仕入税額控除を受けることが可能とお話しました。
注意点はないのでしょうか?
特例の根拠通達(消費税基本通達11-2-1)を、もう一度読んでみてください。
取引関係は、あくまでも会社と従業員間です。
従業員が、適格請求書発行事業者として登録することは考えにくいでしょう。
ですから特例として、従業員の立替旅費精算においての適格請求書(インボイス)は、不要となりました。
法人カードで決済した場合、取引関係に従業員を介さない(従業員の立替ではない)ので、注意が必要です。
このケースでは、適格請求書(インボイス)の保存がなければ、仕入税額控除を受けることができません。
また、前提として出張旅費等とあるので、出張時の飲食代等の立替精算であれば、適格請求書(インボイス)の保存でもって、仕入税額控除の適用となります。
こちらも要注意です!
いかがでしょうか。
制度開始が近づくにつれ、実務で想定されるケースも多くなります。
対応策をお話しするのは、私ども専門家の役目です。
これからもより良い情報提供に努めたいと考えております!
また次回をお楽しみに!
当社は、大阪天王寺区で数十年お客様のコンシェルジュとして、お金にまつわる問題を解決してきた税理士事務所です!
笑顔ある経営を創造したい!をスローガンに、当社は皆さまにしっかりと税について知っていただくため、一人一人としっかり向き合い、納得いくまでお話しします。
昨日より今日、今日より明日が素晴らしい日となるように。
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