【会計・税務】その損害保険金、本当に収入ですか?

皆さまこんにちは。

 

大阪上本町の税理士法人ウィズアスです。

 

本日は、所得税の非課税所得のお話をします。

 

課税所得の概要について

 

個人の所得税においては、所得税法第9条において社会政策的配慮や公益目的、二重課税防止の観点などから非課税所得が定められています。その中でいくつかピックアップしたいと思います。

 

✔︎疾病に基因する増加恩給・傷病賜金や遺族が受け取る恩給・年金、障害者年金など

 

✔︎給与所得者の出張旅費など

 

✔︎給与所得者の通常必要と認められる通勤手当

 

✔︎給与所得者が海外勤務している際に加算される在勤手当

 

✔︎家庭用動産の譲渡による所得

 

✔︎学資資金および扶養義務に基づく扶養料

 

✔︎相続、遺贈又は個人からの贈与により取得するもの

 

✔︎損害保険金、損害賠償金、慰謝料など

 

他にも様々なものがありますが、これらの収入に関して所得税はかかりません。なお、相続、遺贈又は贈与に関しては、相続税や贈与税はかかります。あくまでも二重課税防止の観点から所得税が課されないという意味です。

 

損害保険金について

 

2018年も地震、台風などの災害による被害が全国で多数ありました。それに関連して損害保険金を受け取られた方、現在申請中の方も多いと思います。そのため、今回は非課税所得の中の損害保険金について掘り下げていきたいと思います。

 

損害保険金を受け取った場合の取扱いですが、その保険対象や契約者が個人か法人かによって大きく異なります。

 

まずは国税庁のコメントを確認しましょう。

(国税庁「暮らしの税情報(平成30年度版)保険と税」より抜粋)

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損害保険金を受け取る場合も、保険料の負担者や支払原因によって課税関係が異なってきますが、保険を掛けていた人が建物の焼失や身体の傷害・疾病を原因として受け取る保険金には、原則として課税されません。

しかし、例えば、事業者の店舗や商品が火災で焼失した場合、焼失した商品の損害保険金は事業収入(売上げ)になります。

また、焼失した店舗の損害保険金は店舗の損失額を計算する際に、差し引くことになります

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(ア)個人の場合

上記の通り、災害によって加えられた資産の損害に起因して受け取った損害保険金は、原則非課税です。

しかし、個人事業の商品についての損害保険については、事業売上になるとされています。

これは損害保険の補償対象が売上の補てんとしての意味合いであることから、課税対象となります。同様の趣旨から休業補償のような損害保険についても、事業売上として申告する必要があります。

 

一方、損害を受けたものが商品などではなく、車両や店舗の損害など事業で使用している設備そのものである場合には、原則通り非課税となります。従って、損害保険金を受け取っても売上として申告する必要はありません。

ここで、損害を受けた店舗等を修繕する費用についての取扱いには注意が必要です。受け取った損害保険金が非課税となりますので、その金額の範囲内であれば必要経費に算入することはできません。受け取った損害保険金以上に修繕費が発生した場合には、超える金額については必要経費に算入することができます。

 

(イ)法人の場合

法人が損害保険金を受け取った場合には、その金額を雑収入として計上する必要があります。よって、法人は個人とは異なり課税対象となります。

 

ここで保険金について収入として申告するということは、同事業年度に修繕費としての費用が発生する場合を除き、所得が増加しますので法人税の負担が増加してしまうことになります。

しかし、例えば受け取った損害保険金で代わりの設備等を購入したようなケースでは、圧縮記帳という処理をすることにより課税を繰り延べることができます。圧縮記帳についてはこちらでは詳しく触れませんが、不安がある方は一度当社にご相談ください。

 

損害保険金を受け取られた場合には、契約内容や契約者によって取扱いが異なりますので判断の際にはご注意ください。

 

 

それでは、次のコラムでまたお会いできればと思います。

(※次回更新は11月21日です)

 

当社は、お客様、協力企業様、そして地域社会に貢献していきます。

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笑顔ある経営を創造したい!を、スローガンにしている当社は皆様にしっかりと税について知っていただくため、一人一人しっかりと向き合い、納得いくまでお話しします。

昨日より今日、今日より明日が素晴らしい日となるように。

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