【会計・税務 】給与か外注費か
皆さまこんにちは。
大阪上本町の税理士法人ウィズアスです。
昨年からコラムを掲載させていただき、読者の皆さまには本当に感謝しております。
有益な情報を掲載するよう心がけてまいりますので、本年もどうぞよろしくお願いいたします。
さて本日は、税務調査においてよく取りざたされる『給与か外注費か』をテーマにお話しいたします。
まず、給与と外注費の税務面での違いですが、
- 源泉徴収(所得税を徴収する)する金額が違う。
- 給与であれば、消費税計算において仕入税額控除ができない。
※外注費であれば、消費税仕入税額控除が可能。
が考えられます。
では、ふたつの費目をどのように判断すればよいのでしょうか。
国税不服審判所より平成30年1月11日裁決をもとに解説いたします。
http://www.kfs.go.jp/service/JP/110/10/index.html
納税者は、風営法に基づく営業許可を受けて飲食店を営んでおりました。
その飲食店で働いているキャストへの支払を外注費(報酬)として処理していましたが、税務調査において給与であるとの指摘を受けました。
指摘に対し納税者は、営業に必要な費用(携帯電話料金、ヘアメイク代、消耗品費)はキャスト自らが負担している等、外注費(報酬)であると主張しました。
しかし、国税不服審判所はこれを認めませんでした。
その判断は、以下の通りです。
- キャストへの支払額の算定は時給が基本であり、その時給は、同伴・指名及び延長等の実績など売上に対する貢献度が評価されて算定されたものと認められ、指名などの回数により支払額が変動するとしても、そのことによってキャストへの支払額が事業所得に当たらない。
- キャストは、出勤予定日を店長に申し出なければならず、出勤予定日以外の出勤は断られることもあること、無断欠勤した場合にはペナルティとしてキャストが負担させられること。
また、店長はキャストのうち経験のない者に対して灰皿の換え方や飲み物の作り方などの基本的なことをその都度教えていたことなどから、納税者からの指揮命令に服して労務の提供をしていたものといえる。
結果、納税者の主張は認められませんでした。
消費税基本通達1-1-1に、個人事業者と給与所得者の区分がうたわれておりますので、参考までにご紹介いたします。
(個人事業者と給与所得者の区分)
1-1-1 事業者とは自己の計算において独立して事業を行う者をいうから、個人が雇用契約又はこれに準ずる契約に基づき他の者に従属し、かつ、当該他の者の計算により行われる事業に役務を提供する場合は、事業に該当しないのであるから留意する。したがって、出来高払の給与を対価とする役務の提供は事業に該当せず、また、請負による報酬を対価とする役務の提供は事業に該当するが、支払を受けた役務の提供の対価が出来高払の給与であるか請負による報酬であるかの区分については、雇用契約又はこれに準ずる契約に基づく対価であるかどうかによるのであるから留意する。この場合において、その区分が明らかでないときは、例えば、次の事項を総合勘案して判定するものとする。
(1) その契約に係る役務の提供の内容が他人の代替を容れるかどうか。
(2) 役務の提供に当たり事業者の指揮監督を受けるかどうか。
(3) まだ引渡しを了しない完成品が不可抗力のため滅失した場合等においても、当該個人が権利として既に提供した役務に係る報酬の請求をなすことができるかどうか。
(4) 役務の提供に係る材料又は用具等を供与されているかどうか。
いかがでしょうか。
給与か外注費かは、税務調査において争点となることが多い事案です。
指摘を受け修正申告となれば、思わぬ追加納税が発生いたします。
まずはご相談ください。
お客様のお力になれれば、うれしく思います。
では、次のコラムで皆様にまたお会いできればと思います。
当社は、大阪天王寺区で数十年お客様のコンシェルジュとして、お金にまつわる問題を解決してきた税理士事務所です!
笑顔ある経営を創造したい!を、スローガンにしている当社は皆様にしっかりと税について知っていただくため、一人一人しっかりと向き合い、納得いくまでお話しします。
昨日より今日、今日より明日が素晴らしい日となるように。
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